そんな私を見て、彼は口角をあげながら何か企んでるような笑みを浮かべた。
「いえいえ。でもね、どうしても千田がスクーターに乗ってみたいって言っててね?」
彼の口からは、私の想像の遥か斜め上の言葉が出てくる。
それは他の人にとってもそうみたいで。
「ええ!…って…ぇええ!」
直ぐそばの高級車の窓から顔を出した、いつかのスキンヘッドの頭の強面の人が驚いたような唸り声をあげていた。
吃驚して、いきなりの登場に思わず凝視してしまう。
スキンヘッドの人も状況が理解できていないみたいだったけれど、私も彼の考えていることがいまいち理解できなかった。



