でも、優しくさらさらと撫でてくれる綺麗な指にも、彼のゆったりとした不思議な甘い雰囲気にも全然不快感はなくて。 他人と関わることが苦手なはずなのに、彼の隣は何故か凄く落ち着いた。 そんな今までにない自分に違和感と心地良さが混沌として複雑な気持ちでいると、不意に威圧感のある低い声が静かに響いた。 「誰だ。」 急に聞こえた声に反射的に振り返ると、漆黒の髪色と瞳をした男の人が立っていた。