返事をしない私に更に心配になったのか、私の顔を覗き込んでブラウンの瞳を合わせてくる。
「痛い?」
労わるかのように手の甲をさらさらと撫でながら、眉尻を下げ本当に心配そうに聞いてくれる。
彼の予測できない奔放な行動に、心臓がずっと振り回されていた。
「…ただのアレルギーなので…、全然。」
一言一言を紡ぐのに精一杯だった。
うるさい鼓動が気になって、上手く言葉が出てこない。
「良かった。でも、せっかく綺麗な手なのに」
彼は何の気なしに、さらっとそうやってこそばゆい言葉を投げかける。
これが大人の余裕なのか。
それとも、彼の特殊な能力なのか。
経験したことのない状況に、戸惑うことしかできなかった。



