…あ、あそこに背を伸ばしたオニユリが咲いている。暗い視界で分からないけれど、きっと豪華なオレンジ色をしているんだろうな。
つい夢中になっていると、隣からクスッと堪えきれなかったような笑い声が聞こえてきた。
「それ、いつまで被ってるの?」
案の定、彼はどこか楽しそうにしながら私の頭を指差していた。
こんな表情もするんだ…
また私の中で彼の印象が変わった。
涼しげな瞳を細めて小首を傾げている姿は、楽しそうにしながらも妖艶で。
先程の冷たい雰囲気とは似ても似つかない。
「もしかして、店主に取ったらダメって言われてるとか?」



