いつも冷静で大人な彼の初めて見る様子に、私も動揺してしまう。
「ルカさん…?」
「…レイちゃんと一緒に暮らせるんだって浮かれてて、隠すの忘れてた」
「えっと…この花って、…」
彼の、ぼそっと恥ずかしそうに呟いた言葉にもっと混乱する。
なんで、ルカさんがこの花を…
「本当はね、ちゃんと綺麗に咲いてからレイちゃんにプレゼントしようと思ってたんだ」
「え…」
私にプレゼント…
彼から出た予想もしていなかった言葉に喉がきゅっとつまって心臓が大きく跳ねた。
今の季節から育てるのは大変なのに、小さな苗は緑が鮮やかに輝いていて、彼がどれだけ大切に育てているのかが分かる。
でも、なんで私に……
私を見つめるブラウンの瞳が優しく甘く細められて、上手く言葉が出てこない。



