エンゼルランプ





「(ルカさんが着るのかな…)」


なんて馬鹿な逃避をしながらすっかり秋風になった、心地良い風を感じながら景色を眺めた。


ベランダに続く大きな窓からの眺望は、やっぱり最上階なだけあって壮大で。


生まれて初めての高い景色に思わず魅入って、もっと見てみたいとベランダにそっと足を出した。


「眩しい…」


思わず一瞬目をぎゅっと瞑った。


視界を遮るものが一切ないここは、いつもよりも日差しを強く感じる。


昨日は夕焼けとか夜景なんて全然見る余裕なかったけど、やっぱり綺麗なんだろうな。


そうぼんやりと思いながらも、これから此処に自分が住むなんてまだ実感が湧かなかった。



……また、肌が赤くなる前に戻ろう、そう思って窓の方にゆっくりと振り返っているとき。


ベランダの隅にある小さな鉢植えが視界に入った。