…カチャンッ! カウンターからそろりと抜けて店の裏に戻ろうとしたその時、完全に油断していた。 カウンター上の何かが指先に当たって床に落としてしまった。 しまった…っ!と咄嗟にキャッチしようと手を出したときにはもう遅い。 しんと静まりかえる店内。 ああ、落としてしまったのはボールペンか…なんて客観的で冷静な思考が真っ白になった頭にふわりと一瞬浮かんで、すぐに消えた。 数メール先にいた3人に一斉に注目された私は、身体がそのまま石のように硬直して呆然とするしかなかった。