その男性はただそこに座っているだけなのに、独特な雰囲気を醸し出し、ひときわ異彩を放っていた。
一目で感じた。
彼は他の人とは違う。
黒い光沢のスーツを着こなし、長い脚を持て余してるかのようにしながらも、姿勢良く座ってる姿は気品が溢れていた。
涼しげなブラウンの瞳、筋の通った高い鼻、形のいい唇。
柔らかそうな長めのアッシュブラウンの髪の毛は、どこか中性的な顔立ちの彼によく似合っていた。
あまりにも秀麗な顔立ちに、こんなにも綺麗な人がいるのかと引き込まれるのと同時に。
大人の色気がだだ漏れているような、そんな雅やかで魅惑のオーラをもつ男性に、心臓が変にドキッとした。
