エンゼルランプ




どうしよう…と考えを巡らせるが、落ち着いていられず一先ず静かに席を立った。



表の様子が見える死角の位置まで移動して、柱からひょこっと少しだけ顔を出すと店内を覗き見した。



良く見えるその位置から視線を彷徨わせると、色鮮やかな場景の中、ロバートさんの長くてモサモサしている白髪頭に目が留まる。



さっきよりも明確に聞こえるロバートさんの笑い声と和やかに話し込んでいる声から、打ち合わせは順調のよう。


そのまま視線をスライドさせると、ロバートさんの目の前いる黒いスーツを着た2人組の男性を視界に捉えた。



後ろ姿のロバートさんに対して、2人の顔がよく見える。



1人は鋭く怖い目つきをしながらも、何故かぴしっと直立していた。


何故直立しているんだろうと不思議に思いながらも、見慣れないスキンヘッドの頭と強面の風貌はいかにもという感じがして、少しおっかない。



…そして私は、もう1人の男性に思わず息を呑んだ。