…ーーーギシッ、ギシッ…
もっと、深い記憶に堕ちそうになった直前、
微かに聞こえる音に、ハッと我に帰った。
いつのまにか、額に汗をかいていた。
…ギシッ、ギシッ
やっぱり聞こえる。古びた木の床を踏む音。
ロバートさんだろうか。
でも、今はお店の開店時間だし、病院に行く日は1人になりたいと思っている私を気遣ってか、今まで敢えて会いに来ることはなかった。
どんどん近づいてくる音に恐怖を抱きながら、自分が入ってきた扉をじっと見つめた。
大丈夫、誰か間違って教会に入ってきてもこの部屋には鍵が掛かってる。
……あれ、でも、教会にも厳重な鍵が掛かってるのに、
そう、どんどんと不安になってきて、また身体をぎゅっと縮こめる。
さっきまで頭を支配していた嫌な記憶なんて吹き飛んで、別の意味で心臓が嫌な音をたてた。



