エンゼルランプ






1度だけ会った自分とそっくりなイギリス人男性は、金持ちで地位もある既婚者で。


水商売をしていたこの女は、来日していたそのイギリス人男性の客に目をつけて、擦り寄った。



狙い通り子供を身籠って、勝手に産んで、それを理由に恐喝した。


自らの地位、家庭が崩壊するのを恐れた男は、隠蔽目的で大金を払う。




十分な金を得た女と、そそくさと逃げた男。

その間に生まれた私。


自分が何者なのか、その答えは、とても滑稽で薄っぺらかった。



こんなにも滑稽な物語はここで終わりにしておけばいいのに。





十分な金を手にした女はそれだけでは満足せず。


男そっくりに育ってきた金になる"道具"を連れて、自国に帰った男の目の前に突きつけて、また金を貪り取ろうとした。


それは、私が初めて外の世界に連れ出された時だった。





でも、滞在可能期間の90日間、ギリギリまで粘りに粘ったけれど理想の金額までは貰えず日本に追い返されたと。


「金の為に産んでここまで育ててやったのにほんっと使えない。全然儲からなかったわぁ。もう用無しだから」


汚い罵声と共に、馬鹿な私に何度も嫌なくらい丁寧に教えた。




全部、ぜんぶ、金のため。



金のために、

金持ちの既婚者に近づいて、

子供つくって、

脅して、お金貰って、逃げられて。



また、子供連れて追いかけて、

脅し続けて、お金貰って、追い返されて。




一気に知り得る情報のなか、

自分はこの女の金になる道具で、
そして、もう、その意味を失ったんだと。




幼いながらに必死に呑み込んで、


そして、心が壊れた。