"…ずっと店裏にいてほしいんだ。お願いできるかい?"
大したことないお願い。
…でも、何かを気に掛けてくれたお願い。
申し訳なさそうなロバートさんの姿が脳裏に浮かぶ。
店裏から出ようなんてこれっぽっちも思っていなかった。ロバートさんを困らせるようなことは絶対にしたくない。
「(………)」
中途半端な机の上を見て思い悩む。
きっと求めているリストは、表のカウンターに置いてあるファイルの中だろう。
リストがないと作業を進められないし、もしかしたら明日のお渡しに間に合わなくなってしまうかもしれない。
それもまた、ロバートさんを困らせてしまうことになる。



