…ーーー静かな部屋の隅、ずっと、小さく縮こまっていた。
自分がちゃんと存在しているのか分からなくて、ぎゅうぎゅうと痛いくらいに身体を小さくして、その痛さでちゃんと存在してるのだと実感した。
偶に女がやってきて、乱雑に袋を放り投げてくる。
袋の中にはいくつかの菓子パンが入っていて、最初は一気に食べてしまって、次の日から食べる物がなくて辛くなった。
次あの人が来るまで少しずつ食べないとダメなんだ、そう、徐々に学習した。
唯一話しかけてもらえる言葉が、
「お金の為に産んだのよ」だった。
当初は言葉の意味が理解できていなくて、話しかけてもらえるのが嬉しくて、その言葉を待っていた。
ただぼんやりと時が流れていく中、初めて外に連れ出された日は鮮明に記憶に残ってる。
長い長い時間、女に引き摺られるようにして必死についていった。
目紛しく景色が流れ、元いた場所とは全然違う場所に着いた。
行き交う人々の髪の色、瞳の色が変化し、どちらかというと自分に似ている人が沢山いた。



