エンゼルランプ





簡易的に備え付けられたミニキッチンに向かうとコップに水を注いで一気に喉を潤した。


トイレもお風呂もあって、十分生活できるこの小さな空間をロバートさんは与えてくれた。


それなのに、

ロバートさんにこんなに手厚く面倒をみてもらって、満足な生活を送っていたはずなのに。


彼と出会ってから寂しいと感じるようになって、

でも、こんな粗末な自分をあの高貴なブラウンの瞳に映してほしくないと、誤魔化して本当の自分を隠蔽した。


どんどん欲深い狡い人間になっているような気がして、

あの女のようになりたくないのに、自分もそうなってしまうんじゃないかと怖くなる。



息苦しくなってきて、部屋の隅、ひんやりとする床に体育座りをしてぎゅっと自分を抱き締めるように縮こまった。



頭を埋めると闇が広まる。


いつもは落ち着くこの体勢も、さっきのあの女の声が離れてくれなくて、更に自分の身体をぎゅうぎゅうと痛いくらいに小さくした。


懐かしいその痛さに、断片的な記憶がぽつぽつと呼び覚まされる。