静寂が澄み渡る世界、当時の面影はもうなく閉鎖された空間は人によっては薄気味悪いかもしれない。
現に、幽霊がでると噂が出回って十数年前の賑やかな声が嘘のようにもう誰もここには近寄らなくなった。
誰ひとり訪れない空間は好都合で、居心地が良い。
両脇に並んだ古びた長椅子の間を抜けて、祭壇の奥にある扉に手をかけた。
___ギィィ…
独特の錆びついた音を響かせ、目の前の階段をゆっくりと昇りながら鞄から鍵を取り出した。
2階の奥、どこもかしこも老朽化したここには不釣り合いの割と新しい扉の鍵を開けて中に入る。
「…はぁ」
いつも通りの質素な部屋に、自然と息を吐いた。



