「こんにちは、こちら笠原さんのお宅ですか?」
「そうですけど、何か?」
お世辞にも綺麗とは言えない貧相なアパート。
近所の子供達から聞いた部屋にちょうど入るところの女性に会えた。
もっと早くに来るべきだった。
あの子に出会ってから直ぐに様子を見に来るべきだったと、その日遅すぎる後悔をした。
20代、いや下手したら10代後半くらいの、まだまだあどけなさが残るその日本人女性は、酷く傷んだ金髪、化粧が濃すぎて素の顔を想像することができない程に派手な容姿をしていた。
あの子の家庭環境が心配になってつい来てみたけれど、この方が彼女とどう関わりがあるのか。
その時は見当もつかなかった。



