エンゼルランプ







初めて無表情の顔を崩して眉尻を下げた彼女は、首をふるふると横に力なくふっていた。


「どちらも、…苦手かな?」


コクコクと頷いた彼女は酷く怯えていて、微かに震えた小さな身体をぎゅっと抱き締めた。


「そうかそうか。大丈夫だよ?すぐ覚えられるさ」


そう明るく言えば、小さな手でぎゅっとお腹辺りを握ってくれて思わず目頭が熱くなった。

同時に怒りが込み上げてくる。

この子の親は何をやっているんだ。


もし5歳までイギリスで暮らしていたとしても、親がどこの国の人間だったとしても、こんなに言語に混乱してるなんておかしい。

況してや、日本語も英語もちゃんと聴き取れている賢い子だ。



ちゃんと大切に育ててあげていればこんな状態にはならないはずなのに。

こんなに生気を失った子になるはずないんだ。