無意識に力が入っていた肩をほぐすと、ひとり、静かに色とりどりの花と向き合った。
どの花を組み合わせてどのようなラッピングをするか…
自分とは真逆の、生き生きとした花と緑を手に、現実の世界から逃げるかのように自分の世界に入り込む。
何も余計なことは考えなくていい。
ただ、ひたすらに鮮やかな世界を想像しては、現実の色のない世界から目を背けてのめり込む。
そうやっていつも自分の手で完成されていく小さな花束をみて達成感を感じて、やっと自分はここに存在しているのだと滑稽でも小さな安心感を得ていた。
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