恐ろしく美しい、無機質な彼女の姿が頭から離れない。
彼女の世界に入って、そして甘く優しく教え込もう。
俺のことだけ考えればいいって。
俺だけに壊されればいいって。
「…ルカさん、着きやした」
目を瞑って、またひとつ、狂気的な欲望が芽生えたのを感じているとあっという間にいつもの細道へと続く入り口前に到着していた。
「千田は戻って。若のこと宜しく。」
そう、静かに伝えると車を降りて細道へと足を進めた。
悔しいけど、彼女のことを今一番知っているのはあの人だ。
さっき電話した花屋の見張りの奴から、案の定彼女が店前でタクシーから降りたのを確認したと連絡がきていた。
そのままいつも通り彼女の自宅があるという店裏に進んで行ったと。
彼女の自宅すら知らない俺は、不本意ながら頼るしかない。
本当、悔しいけど。これから全部知ってやる。
そう無駄な闘争心を燃やしたまま馴染みの看板を横目にドアを開けた。



