「本当にここでいいの?」
「…はい。少し、お店でやることがあるので。今日はありがとうございました。おやすみなさい」
静かに頬を染めている彼女に聞けばささっと車から出ていこうとする。
「…レイちゃん、おやすみ」
「……っ」
彼女の細い腕を引っ張って軽く口づけをしただけで、睫毛を震わせて恥ずかしがっている。
その姿にまたムラムラとしてきて、呼吸が苦しい。
「レイちゃん、帰り道心配だから電話してね?」
「…はい、また」
そう言って静かに車を降りて細道の奥に消えていった。
急に、その儚げな彼女の後ろ姿にさっきまであんなに幸せだったのに、自分でも分からない焦燥感を感じる。
「まだ、だめか…」
ひとり、小さく呟いた声が静かな車内に溶けて消えた。



