「そうなの。四葉のクローバーって幸福をもたらすんでしょ〜?だから探してるんだけど、なかなか見つからないの…」
私がどんな目で見つめているかなんて、全然気づいてない。
ほんと、私のことなんて気にもならないんだ。
顔を伏せて肩を竦めているその人の目の前にゆっくりとしゃがみ込んで、ぱっと目に付いた小さなクローバーを1つ差し出した。
「なぁに?それ普通の三つ葉のクローバーじゃない?」
実年齢に相応しくないその喋り方も、その瞳も、その何にも知らない心も。
全部、全部汚い。
「一般的なクローバーの花言葉は、
"私のことを考えて"…と"復讐"ですよ。」
不思議そうにしている真っ黒な汚い瞳を見つめながら、何にも知らない彼女に無機質な声で教えてあげた。
やっぱり私の心は穴を埋めるどころじゃだめだった。
どんなに埋めても意味がない。
大切に育てた感情なんてぐちゃぐちゃに踏み潰されて、すぐ捥ぎ取られる。
「そーなんだぁ!知らなかったぁ〜!」
ケラケラと狂ったように笑うこの人を、ただぼんやりと見つめた。
狂ってる。
この人も、私も。



