……遡ること今日の朝。
いつものように出勤するとロバートさんから、今日は大切なお客様が来るから店はいつもよりも早く閉めるよ、と伝えられていた。
「レイちゃんには、店を閉めたら直ぐに裏で顧客様のオーダー分のアレンジお願いしてもいいかな?」
「はい。分かりました」
特に何も気にせず、顧客リストを受け取るとそのまま朝の作業に取り掛かろうとした。
「あ、レイちゃん!そのお客様が来店されたら、絶対にとは言わないけれど、なるべく…いや、絶対に…」
珍しく歯切れが悪いロバートさんに不思議に思いながらも、ロバートさんの顔をじっと見つめたまま黙って続きを促した。



