頭がぼーっとして、うまく言葉も出てこなくて、答えるかわりに彼の胸元にそっと凭れ掛かった。
びくっと反応した彼の大きな心音が頭に響く。
「…好きだけの言葉じゃ全然足りない。」
そう、小さく囁いた彼は、ぎゅっと私を閉じ込めるように抱き締めた。
彼の切ない潤声が耳の奥でじんじんと熱をもって、身体に沁みる。
そっと、私も彼の背中に手を回して、初めて彼を抱きしめ返した。
お互い抱きしめ合うと、こんなにも温かい。
静かに更にぎゅっと、力を込める彼の腕に甘い息苦しさを感じて。
愛がこんなにも甘くて、苦しいものなんだって、この日、初めて知った。



