素早く店の表に出ると、ロバートさんがやれやれというような具合で店のドアを閉めてこちらにやって来るところだった。
「ロバートさんっ…」
私が焦ったように声を掛ければ、いつも通り優しい笑みを浮かべて温かい碧い瞳を向けてくれる。
「ああ、レイちゃんお疲れ様。一人きりで店の作業を任せてしまって申し訳なかったね」
ロバートさんはそう言うと申し訳なさそうに眉を下げ、いつもの癖で顎髭をモシャモシャと触っていた。
「…いえ、私こそ大切な打ち合わせの最中に、本当にすみませんでした…」
一刻も早く、先程の自分の失態を謝罪したかった。



