彼もずっと目を見開いて固まっていて、お互い無言で硬直していたけれど、手元にある紙袋の存在を思い出して慌てて我にかえる。 落ち着いて、大丈夫、ちゃんと伝えられる。 そう心の中で唱えて、もう一度小さく深呼吸をして。 眼鏡の向こうの大好きなブラウンの瞳を真っ直ぐと見つめて。 今日、1番彼に伝えたかった言葉を声にした。 「ルカさん、お誕生日おめでとうございます」 彼にこの言葉を伝えられることが嬉しくて、自然と顔が綻んだ。