そんな状況に置いてけぼりの俺達の背中を、ロバートさんはグイグイと出口の外まで押し出すと、 「では、お気をつけて。」 今までのが嘘だったかのように、よそよそしい笑顔を寄越してそう言うと、そそくさと店の中へ戻って行ってしまった。 …それほど隠したい子なのか。 店主のあからさまな態度に失笑を漏らすと、隣で未だに紅潮している千田を引き連れて主人が待つ屋敷へと戻っていった。 この日はあれほど睡魔が襲っていたのにもかかわらず、一睡もできずに夜を明かした。