呼び鈴を押した自分の人差し指が震えているのが見えて、すぐにまた紙袋の紐をぎゅっと握り直した。
ドキドキと心臓の音が耳の中で響くのを感じながら、ほんの僅かな時間がとても長く感じた気がする。
呼び鈴を押してからほんの数十秒でガチャガチャと音がして、ゆっくりと開かれたドアとともに気の抜けた声が出てきた。
「…もうなにー、雅人なんか用………え、」
怠そうにうつむきがちに出てきた彼は、ブロンズ系の細身なメタルフレームの眼鏡をかけていて、中性的な綺麗な顔立ちにマッチしていて大人の色気をより引き立てていた。
柔らかそうな白シャツと黒の細身のパンツといった、初めて見る彼のプライベートの姿は、清潔感があってとても似合っていて。
突撃サプライズをしたのは私のほうなのに、不意打ちの新鮮な彼に吃驚して動けなくなって、
ずっと頭の中で復唱していた言葉が飛んでいった。



