「えー私はこういうの好きなのにぃ。じゃあ、レイはどんなのが好きなのよ?」
愛子さんは口を尖らせながら不満そうに視線を寄越してくる。
どんなのって…
愛子さんが考えてることが全然分からなくて、自分の眉尻が下がるのが分かった。
なんで私をこんな所に連れてきたんだろう。
ここに到着してからずっと困惑することしかできない私に、とうとう愛子さんは盛大に溜め息を吐いた。
「はぁ〜…アンタ今日何の日か知ってる?」
「…え?」
突然の問いかけにますます混乱する。そんな私を見て愛子さんは呆れたように声を出した。
「やっぱり知らなかったのね。もう!私が来て本当に良かったわ。今日はね、アンタの好きな人の誕生日よ!」
え、好きな人…
愛子さんの言う私が好きな人なんて、すぐに浮かぶ。
「ルカさんの…?」
つい、ぽろっと漏れた。
唐突な言葉に驚きすぎて思考がシャットダウンしかけていると、そんな私を見て彼女は楽しそうにニヤニヤしだした。
「そうよ?好きな人の誕生日、祝いたくないの?」



