半ば不可抗力だったけれど約束してしまったのは私。
でも今は仕事の休憩中だから、流石に今からっていうのは…
そう気まずく思いながら、控えめにそのまま口にした。
「あの、すみません…仕事中で…」
「レイちゃん?もう今日は店を閉めようと思ってたんだ。だから行ってきなさい。愛子さんと約束したんじゃろ?」
絶対うそだ…だってそんなの朝言ってなかったし、こんな昼間にあり得ないのに…
ロバートさんの優しい嘘に躊躇って言葉が詰まった。
「でも…」
「ほら、ロバートさんもそう言ってくれてるんだから行くわよ!すぐモジモジするんだから。ほんと世話が焼けるわね。ロバートさんっ、行ってきます!!」
「はいはい、気をつけるんだよ?行ってらっしゃい」
愛子さんに嬉しそうに手をぎゅっと繋がれてそのまま引っ張られた。
振り返るとあっという間に小さくなっていくロバートさんも、ずっと嬉しそうに手を大きく振ってくれていて。
私はその笑顔と繋がれた右手でまた胸が温かくなるのを感じながら、足早な愛子さんに必死についていった。



