日傘で私に影を作ってくれている真っ正面の彼は陽がジリジリと当たっているのに、汗ひとつかいていなかった。
「あの、これ…」
何故か物凄く緊張して上手く言葉が出てこない。
それでもルカさんは優しく私に答えてくれる。
「うん、レイちゃんに。ほら、また赤くなっちゃってる」
そう言って、ふわっと一緒に影に包まれた。
真横に移動してきたルカさんは、肩と肩をピタッとくっつけてきてしゃがみ込んだ私達を隠すように日傘を差した。
もう、背後にいるのかいないのか、
愛子さんも雅人さんも周りも何も見えなくて、
薄暗い傘の中、彼しか見えない。
「痛い?大丈夫?」
眉尻を下げながら、傘を肩にかけて私の腕をさらさらと撫でてくれる。
急な彼との密着度に呼吸の仕方を忘れて、息苦しくなった。



