いつもより輝いてみえるブラウンの瞳に吸い込まれるような感覚がして、
全てがスローモーションのように感じた。
彼はすぐ目の前まできて、手に持っていた物を空に向かってバサッと広げた。
「えっ…」
「暑いでしょ?レイちゃんにプレゼント」
影が降り注ぐ頭上、彼の手には黒い日傘が握られていた。
縁がスカラ刺繍になっていて、その縁に沿って控えめな小花の刺繍が綺麗に施されている上品な日傘。
大人っぽく、でも決して地味ではない。
丁度いいデザインの日傘は私好みで、彼のセンスの良さが一目で分かった。
「(……嬉しい、)」
そう素直に、すぐにでも言葉にしたいのに。
突然のことで戸惑い動けないでいると、彼は日傘を私に傾けながら目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。



