エンゼルランプ




「ああ、そうですね。あの時は、レイちゃ…コッホン!いえ、この店の従業員がお二方を連れてきたものですから」



ロバートさんはなぜかそう態とらしく途中で咳払いをすると、従業員が組長とあやめさんを連れてきたのだと、おかしな事をさも平然と言った。



「従業員?」



明らかに何かを言いかけた様子が可笑しいロバートさんに、意味が分からないと怪訝な表情で聞き返す。



「ええ、この店には私ともう1人従業員がいるんです。…さぁさぁ!明日の開店祝いの花と、今後必要になってくるご注文分を打ち合わせましょうか!これから長らくご贔屓していただけるとのことですからね!私、誠心誠意努めさせていただきますよう〜!」





腕をぶんぶんと振り、気合いを入れるロバートさんに圧倒されると、追求する間も無く無理矢理に話を方向転換された。



…かなり不服だが取り敢えず今は打ち合わせに集中するとしよう。


慣れない花の話を、ロバートさんから分かりやすく説明を受けながら着々と話を進めていった。