元の自分へ戻れと、鐘が鳴り響いている。 それなのに、 『…でもね、俺のそばにいて、俺だけを見てくれたら困ることも悲しむこともないかな。』 彼の腕の中、ぽつりと届いてきた彼の言葉に戸惑いながらも、こんな私でもそばにいていいんだと、鼻の奥がツンとして、胸の奥底からじんわりと温かくなった気持ちが忘れられない。 そして、とうとう、 "彼のそばにいたい"と、そんな欲まで溢れてきてしまった。 だから尚更、早く帰らなきゃとただただ焦る。