何回目かのやり取りで渋々諦めて、とにかく必死で胸元を隠してじっと終わるのを待った。
ずっとこの調子で、断る隙もなく、あっという間にルカさんの甘いペースに呑まれる。
最初はルカさんが私の髪を乾かすと言い始めて、そんな事してもらえないと断ったのに、彼の甘い切言に流されて、凄く丁寧に乾かしてもらって。
こんな事になるのなら、自分で乾かせば良かったと後悔していた矢先、包帯を替えるとまで言われてさすがに無理だと全力で拒否したのに、結局、甘く流される。
彼の前で浴衣をはだけさせるなんて、もう顔から火が出そうなほど恥ずかしいのに。
…それに、あんなに気にしていなかった傷も、なぜかルカさんには見られたくなくて。
恐る恐る彼に背中を向けていたけれど、私の耳には甘くて優しい声だけがずっと響いていた。
「レイちゃんの肌、本当に綺麗」
ルカさんは、私に気を遣ってくれているのか何度も褒めてくれる。
その言葉が素直に嬉しくて、優しくしてくれる彼に感謝したいのに上手く表現できなくてずっと縮こまって俯いてることしかできなかった。



