「聞いてる?」
そう言って小首を傾げながらゆらゆらと近づいてきたルカさんは、いつものような甘さはなくて。
射抜くような冷ややかな眼差しと、何を考えているのか読めない無表情な彼に怒っているのだと直ぐに察した。
初めて向けられるその視線に戸惑うことしかできなくて。
何でルカさんがここにいるんだろうとか、
千田さんに内緒にしてって言われたのにとか。
どうでもいいことばかりが浮かんできて、金縛りにあったように全然動けなくて返事がうまくできない。
「ねぇ、レイちゃん。俺が今どんな気持ちか分かる?」
「、」
淡々と、そう私に問いかけるルカさんはそっと私の頬に指先を伸ばして、さらさらと撫でてくる。



