そろりと浴場に足を運べば、そこも凄く広い空間で。
行ったことはないけれどテレビで見たことがある銭湯みたいだと、そう思った。
この屋敷って何人くらい住んでいるんだろう。
ルカさんも住んでいるのかな。
そんな疑問をふわふわと浮かべながら、シャワーの蛇口を捻った。
さすがに頭から被るなんて馬鹿なことはしないけれど、肩にお湯がかからないように頭を洗うのって凄く難しい。
結局、努力虚しく包帯がびしょびしょに濡れたけれど、ぼんやりとしていた頭が冴えたようにスッキリとして気持ちよかった。
包帯に覆われていない箇所も洗えたし、千田さんに思い切ってお願いしてみて良かった。
本当はあの大きな浴槽に浸かってみたかったけれど、肩口の傷が染みるようにズキズキと痛むのもそうだし、人様のお風呂を借りてるのだからシャワーだけで十分だ。
「ふぅ…」
満足しながら丁寧に身体を拭くと、千田さんにお借りした新しい浴衣を羽織った。
「(……これで良いのかな…)」
ひとりで浴衣を着るのは初めてで手こずりながらも、なんとか脱ぐ前と同じように整えて帯を結んだ。



