「で、ではこちらをお使い下さい!お、お気をつけて!!!」
そう言ってくれた千田さんは私に真新しいバスタオルと浴衣を渡してくれて、まともに目も合わせず顔を真っ赤に染めてさっさと行ってしまった。
「(……私、千田さんに嫌われてるのかな。)」
会うといつも可笑しな態度をとる千田さんの気持ちを推察して、勝手に気分が沈んだ。
でも、そんなこと考えてても仕方ないと気分を切り替えて脱衣所に入る。
「(…おっきい…)」
私のお風呂場の何倍も広い空間に、ただただ吃驚した。
浴衣を脱ぐと鏡に映るのは、肩が包帯でぐるぐると覆われている不恰好な自分。
いつもより虚ろな自身の瞳を見て、やっぱり病人なんだとどこか他人事に思った。



