「身体は大丈夫です。どうしても今入りたくて…お借りしては、ダメですか?」
「ゔっ!!!!」
自分よりかなり背の高い千田さんを見上げながら、再度強くお願いしてみたら、変な呻き声を出された。
「(やっぱり無理かな……)」
視線を足元に下げ、諦めかけたとき、何かぶつぶつと千田さんが呟いているのが耳に入る。
「…は、は、破壊力…お、俺は悪くない。俺は悪くない。これは仕方ないんだ、仕方ないんだ…」
「あの?」
頭を抱えてネジが壊れたように何かの呪文を唱えている千田さんに、戸惑いながら声を掛ければ何かを決心したようにバッと顔をあげた。
「ご、ご案内します!風呂!で、でもルカさんには内緒でお願いしやす!!!」
「…?…えっと、はい、ありがとうございます」
「こちらです!!」
ぎしぎしと音が鳴りそうなほど、ぎこちなく歩き出した千田さんは手と足が一緒になっている。
「(…とりあえず、借りられるみたいで良かった)」
千田さんの明らかに変な様子に、ルカさんには内緒にしようと心に誓いながらも大きな背中についていった。



