そんな私の様子を察してくれて、あやめさんは申し訳なさそうに謝ってきた。
「ごめんなさいね、あの時は下の名前しか教えていなかったし、私達のことちゃんと伝えてなかったわよね。ロバートさんは知っていたんだけど…」
その言葉にますます意味が分からなくなって、黙ってあやめさんの瞳を見つめることしかできない。
「樋口組組長の雅紀の妻、樋口あやめです。そして、若頭樋口雅人の母よ。」
姿勢を正して、私の目をしっかりと見てそう紹介してくれたあやめさんに自然と目を見開いてしまった。
まさか、樋口さん…雅人さんのお父様とお母様だったなんて。
あまりにもそんな大人の御子息がいるなんて思えない若い風貌に、信じられないとも思ったけれど、確かに雅人さんと雅紀さんはそっくりだと今更納得した。



