エンゼルランプ






ふたりの微妙な空気を動かしたその声に、視線を向けるといつかの着物が似合う綺麗なご婦人。


「お義母様っ!」


おかあさま?

先ほどよりもトーンが明らかに高くなった愛子さんのその言葉を頭の中でただ反覆する。


「レイちゃん、久しぶりね?」


そう綺麗に柔らかく微笑んでくれた笑顔を見て、いつの日か、お店に案内したことが蘇ってくる。


あの時も、綺麗に微笑んで隣の旦那様を"雅紀"と呼んでいた。

私の持っている花束を見て、凄く褒めてくれて。

何処の花屋のものか尋ねてくれたから、ちょうど店に帰る私はそのままご案内した。

お店を見て、凄く嬉しそうにはしゃいでくれて、隣の落ち着いた旦那様もその姿を優しく見つめていたのが印象的だった。


そこで、この場にはいない雅紀さんを思い出して誰かに似ていると、ふんわりと頭に浮かんだけれど、

そんなことより、何故ここにあやめさんがいるのか、突然やってきた不可解なことに戸惑いを隠せなかった。