———…カランカランッ
控えめなベルの音を響かせドアを開けると、色鮮やかな花とインテリアグリーンに溢れた空間が広がっていた。
「やぁ、いらっしゃい。お待ちしてましたよ」
そう言って店奥からゆっくりと出てきたのは、正に絵本から飛び出してきたような、本物さながらのサンタクロースのような風貌の老人。
白髪の太り気味の男性は、白い顎鬚を触りながら朗らかな笑みを浮かべ声をかけてきた。
「店主のロバートです。話はマダムから伺ってるよ」
……マダム…あやめさんか。
ニコニコと話す店主は、碧い瞳を細めながら嬉しそうに手を差し出してくる。
外見と流暢な日本語のギャップに戸惑いながらも、握手に応じた。
「どうも、樋口組の栗原ルカです。急にすみません」
「ヘ、ヘーイ!センダデース!」



