そう言って両手で顔を覆った愛子さんは、やっぱり繊細な人だった。
自信家で強かに見えて、周りの声とか樋口さんの気持ちに疑心暗鬼になって。
樋口さんと話していて感じたように、愛子さんも"普通"の女の子なんだ。
こんなに悩んでるけれど、樋口さんはちゃんと愛子さんの弱さを分かってるのに。
ちゃんと、お互い想い合ってるのに。
樋口さんのときと同様、どんなに私に話してくれたところで私は何もしてあげられない。
愛子さんの話を聞いても、可哀想だと同情してあげることもできないし、分かるよって共感してあげることもできない。大丈夫って励ましてあげることもできない。
もし、他の同年代の女の子だったら彼女になんて声をかけてあげるのだろう。
何故、こんな私に二人ともいろいろ話してくれるのだろうと不思議に思うばかりで。
心が乏しい私は、ただ黙って聞くことしかできないのに。



