「苦かった?」
真上から覗き込むのは強烈な色気を滲ませた美しい顔、彼は自分の唇を態とらしく舐めて妖美に微笑んだ。
全然…全然、甘すぎる。
直ぐ目の前にある艶めいた彼の唇を見て、やっと自分の状況を理解する。
「(初めてのキス…しかも、ルカさんと…)」
ふわふわしていた意識からゆっくりと実感が湧いてくると、途端に顔に熱が集まってくる。
「可愛すぎ、全然足んない」
そう言って物足りなそうに瞳に熱を孕むルカさんに、危険信号が点滅し息がつまる。
今にも食されてしまいそうな気持ちになって、吃りながらも何とかこの危険な視線から逃れなきゃと本能的に思った。
「あ、の、私初めてで、その…」
咄嗟に出してしまった言葉は、
ああ、ルカさんにとってはどうでもいいことだったと、勝手に気まずくなりかけたのに。
「……え…、初めて…?」
なぜか彼は目を見開いて固まってしまった。



