「(…薬、飲まなきゃだ。)」
彼の言葉を理解して、ゆっくりと起き上がろうとしたそとき。
ふわっと肩を優しく押されて、すとんっと枕に頭が着地する。
「あの…?」
「もっと甘えてよ、俺だけに」
「んっ…」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
艶めいた囁きが聞こえたと思えば、目の前には吸い込まれそうなブラウンの瞳。
あり得ないその距離に咄嗟に目を瞑った。
刹那、唇にあたる柔らかな感触に思考が完全に停止する。
「ふっ…ん、」
どんどん深くなるその行為に、意に反して声が漏れてしまう。鼻の抜けるような高い声に、自分の声とは思いたくないほど羞恥心が燃え上がった。
「ふっ…んんっ…!」
息が苦しくなってきて思わず唇をほんの少し開けた途端、その隙間をこじ開けるかのように熱いものが滑り込んでくる。
同時に小さな異物が舌にめり込むように擦り付けられ思わず飲み込んでしまった。
「んっ……はぁ…」
最後に名残惜しそうに舌を甘く絡め取られると、ゆっくりと銀の糸を弾きながら離れていく艶めく唇。
経験した事のない甘い息苦しさに、意識が朦朧としてしまうのをか細い呼吸と共に必死に整える。



