そう満足気に緩々と微笑んでいる彼の顔がかなり近い。
「(お姫様抱っこ…)」
ふわふわとする意識の中、ぼんやりと理解できて。
ゆらゆらと揺れる感覚が気持ち良くて、彼の胸板にそっと頭を預けた。
少し早い彼の鼓動を微かに感じられて、私と同じくらいのそのリズムに余計安心感を覚えた。
彼はずっと無言で静かに大事そうに運んでくれて。
先程私が寝てたであろう和室に到着すると、布団に優しく寝かせてくれた。
漸く真正面で見れた彼の顔。
刺された後、意識を失う前に浮かんだ綺麗な顔。
でも久し振りのブラウンの瞳は、真っ直ぐに私を捕らえていてその獲物を狙うかのような野生的な視線に背中がゾクリとした。



