「…えっ」
私が小さく洩らした声と、視界が何かに覆われたのは同時だった。
暗くなった視界の中、鼻孔をくすぐるのは優しい石鹸のような香り。
「(…ルカさんだ…、)」
私の目を後ろから覆っているのは、ルカさんだと直ぐに分かった。
ふんわりと優しく覆ってくれている手はひんやりと冷たくて気持ちいい。
思わずされるがままじっとしていると、真後ろ、私の耳のすぐそばで甘くて心地良い声が響く。
「レイちゃんっ…」
じわじわと今までとは違う熱が体中に巡っていくような感覚がする。
もう嫌な耳鳴りは止まって、ルカさんの声だけが体に沁みた。



