エンゼルランプ



˖⊹ 𑁍 ˖⊹ 𑁍 ˖⊹ 𑁍




「……ルカさん、着きやした」




千田の声に重い瞼を開けると、閑静な住宅街に到着したようだった。



「繁華街を抜けたところか。結構奥まで来たね」


滅多に来ることのない地に足をつけ辺りを見渡すと、住宅街の一角、家と家の狭い間から奥に向かって小道が抜けているのが見えた。



「あったあった!姐さんが仰ってたのここですね!」



千田はやっと見つけられたと云うように少し声を大きくあげて、誘導するように小道に入っていくのでその後をゆっくりと続いた。



「いや〜それにしても、姐さんよくこんな所見つけやしたね。客入るんですかね?」



スキンヘッド頭をボリボリと掻きながら失礼なことを言っていたが、確かにと思ってしまった。


分かりづらい細道の始まりからは、ぽつぽつと丸い敷石が並び曲線的で奥行きがあるように見える。



小綺麗に整えられた草花が所々咲き、イングリッシュガーデンのような小洒落た雰囲気を醸し出しているが、常連客でない限りこの細い道を進んで行こうとは思はないだろうし、なかなか新規客は入りづらいだろう。