エンゼルランプ





「アイツなりに色々抱え込んでるからな。いつの日からか、分厚い壁ができていた。だからあんな姿を見れて、なんていうか、まぁ……嬉しかった…これからもアイツをよろしく頼むな。」




樋口さんは照れ臭そうに、ぶっきら棒にそう言い放つ。


こんな人だったんだと、本当に吃驚しすぎて、さっきとは違う意味で上手く声が出てこない。それに、


「(アイツをよろしくって…?)」



思考が追いつかず唖然として固まっていると、ドスドスと後ろから物凄い勢いの足音が聞こえてきた。


そんな足音につられて樋口さんは私の後方を見ると、先ほどよりも更に深く口角を上げ悪巧みしているかのような顔をした。



ぼんやりとその顔をただ眺めていると、あろうことか、人一人分くらい空いている私達の距離を詰めるかのように、樋口さんは私の頭の方に腕をゆっくり伸ばしてくる。