「これからはもう、一生彼女を傷つけません。誰にも指一本触れさせてなんかやらない。必ず誓います。…ですから、これからも彼女のそばにいさせて頂くことをお許しください」
こんなに誰かに真剣に実直に自分の願いを訴えたことは、人生であっただろうか。
最早親心のようなものを彼女に対して抱いているようなロバートさんには、真っ直ぐ伝えたかった。
「あやめさん、覚悟なんてものは最初からできています。若頭樋口雅人も、彼女も自分の命を懸けて守ります。更に強くなれる自信があるんです」
こんなに自分に自信が持てたことは、今までなかった。
ずっと樋口雅人に劣等感を抱いていたけれど、もうそんな馬鹿らしいことは思わない。
樋口組若頭の側近として、先程答えそびれたあやめさんに胸に抱いていた確固たる信念を返す。



