そんな姿を見て、胸に抱いていた確固たるものを更に強固にする。
姿勢を正し、畳に静かに頭をつけた。
「この度は、大変申し訳ありません」
ロバートさんに向かって静かに頭を下げながら、自責の念を吐き出した。
ただの店主と従業員、そんな関係には到底思えないロバートさんとレイちゃんの関係。
俺がまだまだ知らない彼女のことを知っているというのは、正直かなり歯痒い。
でも、彼女に捧ぐ慈悲深い愛情を感じて、彼女をこんな目に遭わせてしまった自分の不甲斐なさを痛感した。
「頭を上げてください。先程も散々下げられたからね。んー愛子さんと言ったかな?彼女から事情は全て聞きましたよ」
その言葉に躊躇いながらもゆっくり頭を上げると、ロバートさんは顎鬚を触りながら柔らかい笑みを向けてくれていた。
あの強かなお嬢が誰かに頭を下げたことにも驚いたが、ロバートさんの微笑みにも戸惑い真っ直ぐと碧い瞳を見つめ返した。



